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凡人が、3日で「天才」に近づく方法!・その四
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「B-Block」から生まれた素材市場"EVAプロジェクト"で売上増2007年期には155%アップ
(2009年 企画塾出版部 増販増客実例集より抜粋)
こちらの事例は、イワサキ経営グループ/株式会社イワサキ経営 駿河増販情報センター マーケティングアドバイザー 宮口 巧(静岡県沼津市)が2009年に取り組まれたものです。
「株式会社桑原嗣(あきら)商店」は自社で扱っているサンダルの底材、EVAスポンジを活用し独自に開発したつみ木型玩具「B-Block」を申請し、2005年、国による「経営革新企業認定」を受けました。
当初のコンセプト「高齢者用認知症防止のリハビリ玩具」として販売していた「B-Block」は、CT(コンセプトとターゲット)の見直しを図り、「幼児用安心安全知育玩具『2歳になったら「B-Block」』とし、幼稚園や保育園などの施設を顧客としている遊具販売商社への販路を獲得。(詳細は「増販増客実例集2007」に収録)
その後、よりエンドユーザーに近い店頭販路獲得を目指し戦略を固め、東京都内の有名玩具販売店や大手百貨店での取り扱い販路を獲得してきました。(こちらの詳細は「増販贈客実例集2008」に収録)
このような展開から新たに取り組んだプロジェクトは、「B-Block」の素材であるEVAスポンジに焦点を合わせた「素材による新需要からの新商品開発獲得」です。
桑原社長は、「B-Block」の販路獲得に悩み、マーケティング手法の確立に着手した2006年当初から、素材であるEVAスポンジや「B-Block」以外の開発商品の展示会出展を提案していましたが、まずは主力商品として「B-Block」を設定し、発信する情報も「B-Block」に集中させ、それ以外の商品や素材利用の提案情報にはあまり目を向けずに展開してきました。ただ、展示会での反応として素材に注目する来場者が存在したことは事実です。
しかし、その情報は「浅いレベルでの提案ベース」でされることが多く、商品として確立されるほどのものではありませんでした。その後、「B-Block」一本で展開した展示会出展戦略が功を奏し販路の確立、拡大を着々と現実のものにしたことをきっかけに、2007年3月に開催された、しずおか産業創造機構主催の地域企業の新たなビジネスモデル発表会「夢起業プラザ」にて、EVAプロジェクトへの取組みを発表しました。県内企業を対象にEVAスポンジを利活用しての新商品開発事業に取り組んでいくプロジェクトです。
その後重要なポイントとして、桑原社長と「素材利用に向けての具体的な提案」がどの程度のものなのか検討し、またその「具体的提案」の後にどの様なオペレーションが必要かなどを細かく打ち合わせし、仮説を作ることでした。
初めての情報発信からまもなく、県内の販促品を取り扱う企業から「具体的提案」がありました。それはEVAスポンジの発砲度合いを改良し、座椅子の座面ができないか、というものでした。
そこで柔らかい感触と劣化しない反発性などを重視し試作を提案。座面の高さを調整できるパーツを加え商品化。これがEVAプロジェクト最初の案件となりました。この座椅子は、県内の割烹料理店や焼肉店などに置かれ、足の不自由なお年寄りなどが座敷に座るときなどに使用されており、最初の納品から毎年注文をいただいています。


その後、ペット用衣類の販売店を持つ企業で、ペット用の洋服を陳列するための専用ハンガー掛けができないか、という商品開発依頼や、プロボーラーが使用するプロテクターの生産財として注文をいただきました。これまでの成功体験を活かし、2007年春からの展示会では、素材に興味をいただいた来場者に対し、「3K」の手法を徹底。積極的なコミュニケーションを心がけ、展示会の場で提案しながら話を進められるようになりました。
このような活動を重ね、桑原嗣商店のEVAプロジェクトの売上は2006年期の100万円から2007年期には155%アップの255万円、2008年期は275万円でしたが、今年2009年期は6ヶ月の実績ですでに450万円を超える勢いで伸びており、年間売上、900万円のラインが見えてきました。


特にカラーセラピー(色治療法)で利用する「キューピック」というトレーニンググッズの開発は、市場の広がりが期待できます。桑原嗣商店が扱うEVAの特徴でもある「色の鮮明さ」と「B-Block」でも評価が高い「安全性」が活かされています。

中小製造業の場合、新たに始めた事業の初動がうまく起ち上がらなかったり、商品が思うように売れなかったりすると「あれもこれも」と広げてしまう傾向があります。しかし「桑原嗣商店」のケースでは、展示会への出展や情報発信の内容を、まずは「B-Block」だけに集中させました。
「B-Block」に対する認知を徹底的に高め、社会的にも認められる商品認知度を得たことで、「B-Block」の素材であるEVAへの関心度が上がり、その結果商談の成立する精度の高い情報が集まる状況を生むことができました。
まず一つのことに集中し、そこでの成功を軸に適切な戦略を持って事業展開していくことこそが、次々と「成果」を手にできる要因に結びつくのではないでしょうか。
視点を変え、二年間動かなかった商品が変貌!
コンセプトは「認知症予防リハビリ玩具」?
仮説と検証からCTを見直し、「2歳になったらB-Block」というキャッチフレーズに・・・
展示会を軸に前後のPTも精緻に組立て、4つの展示会で1,100万円超達成!
こちらの事例は、イワサキ経営グループ/株式会社イワサキ経営 宮口巧様(静岡県沼津市)が2007年に取り組まれたものです。
製造業者が営業する場合、商品を取り扱ってくれる問屋や販売店へ「ウチの商品はとても良い商品です。ぜひ取り扱ってください。」と、営業するのが一般的です。ところが、開発者にとっては、当然素晴らしい商品でも、問屋や販売店にとっては、数ある商品の中の一アイテムにすぎません。積極的に販売促進することもなく、商品が動かなければ即取扱い中止。「B-Block」も例外ではありませんでした。
私は静岡県内企業の経営支援機関である「しずおか産業創造機構」が行う、県内企業の経営を支援するための具体的施策「専門家派遣事業」を通じて、「B-Block」と出会いました。

そこで「B-Block」の開発者であり、製造元の「桑原嗣商店」の社長と、エンドユーザーに自社が直接販売するという新たな視点、つまり「顧客目線」でのマーケティング展開に取り組みました。
「B-Block」は本業で加工しているサンダルの底材EVAスポンジを環境と人体に無害の素材に改良し、積み木のおもちゃとして開発したものです。もともと子供のおもちゃとして売り出した「B-Block」でしたが、お年寄りの認知症防止に効果がありそうだ、という情報を得て、コンセプトを「お年寄りの認知機能回復」、ターゲットを「老人介護施設」に設定し、一年間プロモーションしていました。ところがなかなか売れません。
これを「顧客目線」のコンセプトとターゲットに設定し直すところから、再度マーケティング展開を立て直しました。
子供の来場が比較的多い展示会に出展し、子ども達にこの「B-Block」で遊んでもらったところ、これが大好評でした。一緒に遊んでいた父兄に感想を聞き情報収集した結果、コンセプトを「軽くて柔らかくて安全な知育玩具“B-Block”」と位置づけ、キャッチフレーズを「二歳になったらB-Block」とし、このコンセプトとキャッチフレーズを軸に、2006年11月から名古屋、東京、静岡県内と4回の商品展示会に出展、積極的なプロモーションを展開しました。


展示会での名刺交換で継続発信できる母数を獲得。お礼状を含めた情報提供。さらに展示会を重ねるごとに獲得する継続発信の母数。このような活動を繰り返すことで、「3K(継続発信=お礼状+情報提供 高質接触=展示会 個別対応=個別の商談等)」のサイクルが確立していきました。
新たなマーケティングが展開される以前は、商品の認知度が上がらず、販売への動きも見られませんでした。
東京で開催する大集客の展示会では、多くの人がブースを訪れ、出展している商品に対する意見が交わされます。「桑原嗣商店」も、様々な情報交換をしていく間に、もともとのコンセプトとターゲットにズレが生じたことが、その大きな原因だったのではないかと考えられます。本来商品が持つ魅力は、子ども達に楽しんでもらう「玩具」としての魅力でした。しかし、販路が獲得できないことで、玩具としての市場より、はるかに訴求力が薄く、狭い市場にコンセプトとターゲットを変更してしまったのです。さらに展示会に出展後、興味を持った来場者に対し、精度の高い事後フォロープロセスがなかったのも売れない原因の一つでしょう。
さて現在の成果ですが、2月中旬に開催された展示会の事後フォローツールに反応が高く、フォローハガキ138通に対し、サンプル請求をされた反応は30件。その30件から9件の積極的な商談が進められています。
また、この反応の中から具体的な販売につながった金額は110万8,000円(素材供給などの周辺商品も含む)、入金ベースで金額が把握できない9件の具体的な商談からの売上は、今後も十分期待できる数字にまとまっていくと思われます。(2007年3月末現在)
商品力が高く、エンドユーザーに向けての訴求効果のある商品こそ「買ってくれるかもしれないお客様」へ向けてのマーケティング展開が販売店を動かし、商品を販売へと結びつける結果につながります。自社の商品はいったいエンドユーザーの何にメリットをもたらすのか? 販路拡大に悩む製造業者が最初に考えなければならない最大のテーマです。
また安易な展示会への出展も見直し、再度展示会出展への「目的」や「目標」を実現させるための戦略を考えてみる事をオススメします。
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